イタリアでの旅は「カメラ」の中で眠る旅だ。
  客室を「カメラ」と呼ぶ国で写真機はマキナという。
  写真機としてのカメラの前身は
  「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブスキュラ」だ。
  部屋に穿たれた窓から一筋の光が射すとき、外界の映像が揺らめく。
  それはカメラに差した世界の光。
  人々が喧噪から離れ、安息を得、心落ち着かせ、愛を交わし、夢見る、暗い部屋。
  それこそが映像の胚胎する場所なのだ。
  世界の光、それは身体を貫き、心を照らすだろう。
  Kunihiko Katsumata
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  2003年にイタリアで開始され、その後諸国で撮影継続中。